研究支援等 89
4-6 理科教育への協力
4-6-1 スーパーサイエンスハイスクール
岡崎高校は,平成19年度より始まる S S H 継続事業に応募し,この提案が文部科学省より採択された。分子科学研 究所も引き続きこの事業を支援することに合意した。今年度は以下の2課題の活動に協力した。
(1). スーパーサイエンス部活動(化学班)の支援
・「自作造波機を用いた文字の造波」(指導:装置開発室及び米満賢治准教授)。
. 6月21日に分子研装置開発室で,生徒から造波機の作成について相談を受け,造波機が完成した10月まで製 作を支援した。また,文字を造波する際に必要とされる理論的な指導を米満准教授が行った。この研究は,第 54回県学生科学賞にて優秀賞を受賞した。
・「物性理論研究への指針」(指導:米満賢治准教授)。
. 7月28日に,物性理論の研究に興味を持つ生徒に,今後の研究方向について指導した。 (2). 科学三昧 in あいち2010
12月24日にウィルあいち 愛知県女性総合ホール(名古屋市)で開催された。
4-6-2 コスモサイエンスコース
分子科学研究所では,平成20年度に愛知県立岡崎北高等学校が国際的に活躍できる科学技術者の育成を目的に新 たに設置した,コスモサイエンスコースへの協力を,岡崎市にある基礎生物学研究所,生理学研究所とともに開始した。
分子科学研究所が担当したものは以下のとおりである。
(1).「コスモサイエンス・ゼミ」に講師を派遣(開催場所:岡崎北高校)
開催日 タイトル 講 師
2008..6.21 二酸化炭素の科学を楽しんでいます 田中 晃二 教 授 2009..6.13 エネルギー問題の解決は科学者の使命—太陽電池のはなし 平本 昌宏 教 授
(2).「コスモサイエンス・ゼミ」
目的:各研究所の施設を見学することで,実際の研究現場の雰囲気を体験し,科学に対する興味,関心を高める 参加人数:コスモサイエンスコース1年生 約40名
分子研見学場所:電子顕微鏡(実験棟地下1F ),UV S OR 日時:2008 年 12 月 26 日(金)13:30–16:00
4-6-3 サイエンスパートナーシッププロジェクト
岡崎西高校は,2008年度から連続して,今年度も,分子科学研究所宇理須グループと連携して科学技術振興機構
(J S T )のサイエンスパートナーシッププロジェクト(以下 S P P と略す)に応募して採択された。「神経細胞への遺伝 子導入による光受容体タンパク質発現」のテーマのもと,7月16日〜20日の期間で講義および実験指導が行われた。
4-6-4 あいち科学技術教育推進協議会
スーパーサイエンスハイスクール(S S H)研究指定校,愛知スーパーハイスクール研究校,さらに,サイエンスパー トナーシップ(S P P)実施校である愛知県下の16高校が,2009年度に「あいち科学技術教育推進協議会」を立ち上 げた。これは,文部科学省指定 S S H 中核拠点育成プログラムの一貫として,S S H で得た知識や組織力を活用し,全
90 研究支援等
県的な取り組みとして理数教育の推進を目指したものである。協議会設立のキックオフイベントとして「科学三昧 i n あいち2009」が2009年12月24日に岡崎コンファレンスセンター(岡崎市)にて開催された。当イベントにおい ては,協議会加盟校を含む県内の多数の高校から理科教員や高校生が集まり(参加総数300名以上),科学や技術に ついての先進的教育活動の紹介が行われた。分子研からは「酸化物半導体薄膜を利用した光波干渉と光発電」「デス クトップ電子顕微鏡で観るナノの世界」と題した2つの体験型ブースをワークショップに出展し,高校生をはじめと する来場者との交流を行った。2010年度は,「科学三昧 in あいち2010」が2010年12月24日にウィルあいち(名 古屋市)にて開催された。
4-6-5 国研セミナー
このセミナーは,岡崎3機関と岡崎南ロータリークラブとの交流事業の一つとして行われているもので,岡崎市内 の小・中学校の理科教員を対象として,岡崎3機関の研究教育職員が講師となって1985(昭和60)年12月から始 まり,毎年行われている。
分子科学研究所が担当したものは以下のとおりである。
回 開催日 テーマ 講 師
2 1986.. 1.18 分子研の紹介 諸熊 奎治 教 授
3 1986.. 6.. 7
シンクロトロン放射とは
(加速器・分光器・測定器の見学)
渡邊 誠 助教授 春日 俊夫 助教授 6 1986.10.. 4 人類は元素をいかに利用してきたか 齋藤 一夫 教 授
9 1987.. 6.13 レーザーの応用について 吉原經太郎 教 授
12 1987.. 9.26 コンピュータで探る分子の世界 柏木 浩 助教授 15 1988.. 7.. 2 目で見る低温実験・発光現象と光酸化現象 木村 克美 教 授
18 1988.10.29 人工光合成とは何か 坂田 忠良 助教授
21 1989.. 6.24 星間分子と水—生命を育む分子環境— 西 信之 助教授 24 1989.10.21 常温での超伝導は実現できるか 那須奎一郎 助教授 27 1990.. 6.23
目で見る結晶の生成と溶解
—計算機による実験(ビデオ)—
大瀧 仁志 教 授
30 1990.10.20 電気と化学 井口 洋夫 所 長
33 1991.. 6.22
自己秩序形成の分子科学
—分子はどのようにしてリズムやパターンを作り出すか—
花崎 一郎 教 授
37 1991.12.14 からだと酸素,そしてエネルギー:その分子科学 北川 禎三 教 授 39 1992.. 7.. 7 サッカーボール分子の世界 加藤 立久 助教授
42 1992.11.13 炭酸ガスの化学的な利用法 田中 晃二 教 授
45 1993.. 6.22 化学反応はどのように進むか? 正畠 宏祐 助教授 48 1993.10.. 1 宇宙にひろがる分子の世界 齋藤 修二 教 授
51 1994.. 6.21 分子の動き 伊藤 光男 所 長
54 1995.. 6.20 生体内で活躍する鉄イオン—国境なき科学の世界— 渡辺 芳人 教 授 57 1996.. 6.28 分子を積み上げて超伝導体を作る話 小林 速男 教 授
60 1997.. 6.13 生体系と水の分子科学 平田 文男 教 授
63 1998.. 6.12
電子シンクロトロン放射光による半導体の超微細加工
—ナノプロセスとナノ化学—(UV S OR 見学)
宇理須恆雄 教 授
研究支援等 91 66 1999.. 6.. 8 レーザー光で,何が見える? 何ができる? 猿倉 信彦 助教授 69 2000.. 6.. 6 マイクロチップレーザーの可能性 平等 拓範 助教授 72 2001.. 6.. 5 ナノメートルの世界を創る・視る 夛田 博一 助教授 75 2002.. 6.. 4 クラスターの科学—原子・分子集団が織りなす機能— 佃 達哉 助教授 78 2003.. 6.24 科学のフロンティア—ナノサイエンスで何ができるか? 小川 琢治 教 授 81 2004.. 6.22 生命をささえる分子の世界—金属酵素のしくみを探る 藤井 浩 助教授 84 2005.. 6.28 環境に優しい理想の化学合成 魚住 泰広 教 授 87 2006.. 6.20 電気を流す分子性結晶の話 小林 速男 教 授 90 2007.. 6.15 光で探る生体分子の形と機能 小澤 岳昌 准教授 93 2008.. 6.17 宇宙の光を地上で作る—シンクロトロン光源— 加藤 政博 教 授 96 2009.. 6.. 9 化学結合をいかに教えるか 平本 昌宏 教 授 101 2010.11.. 9
生命の営みと「水」
—化学・物理の理論とコンピュータで探る分子スケールの生命現象—
平田 文男 教 授
4-6-6 小中学校での出前授業
岡崎市内の小中学校を対象に,物理・化学・生物・地学に関わる科学実験や観察を通して,科学への興味・関心を 高めることを目的に,岡崎市教育委員会や各小中学校が企画する理科教育に協力している。
分子科学研究所が担当したものは以下のとおりである。 岡崎市教育委員会(出前授業)
対象校 開催日 テーマ 講 師
六ツ美北中東海中 2002...1.25 光学異性体とその活用 魚住 泰広 教 授 東海中 2003...2.18 計算機を使って分子を見る 谷村 吉隆 助教授
常磐南小 2005...2...7 光の不思議 岡本 裕巳 教 授
東海中 2006...2...8 モルフォ蝶とナノ化粧品の秘密 小川 琢治 教 授 美川中 2007...2.26 生物から学ぶ光と色 小澤 岳昌 助教授
矢作西小 2007.12...4 原子の世界 櫻井 英博 准教授
六ツ美北部小 2008.10.10 ミクロの世界の不思議 平本 昌宏 教 授
矢作中 2009.12...4 分子と光の秘密 平本 昌宏 教 授
岩津中 2010.10...6 分子と光の秘密 平本 昌宏 教 授
東海中 2010.11.30 電気を流す物ってどんな物? 中村 敏和 准教授
岡崎市立小豆坂小学校(親子おもしろ科学教室)
回 開催日 テーマ 講 師
1 1996.12..5 極低温の世界(液体窒素) 加藤 清則 技官
3 1997.12..4 いろいろな光(紫外線,赤外線,レーザー光) 大竹 秀幸 助手
17 2004.11.30 波と粒の話 大森 賢治 教授
23 2007.11.27 身の回りにも不思議はいっぱい 青野 重利 教授
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4-6-7 職場体験学習
岡崎市内及び近隣の中学校及び高等学校の要請により,職職場体験学習として中・高生の受け入れに協力している。
年度 受入件数 参加者数 見学受入機関名
2007 5 10
岡 崎 市 立 甲 山 中 学 校, 愛 知 県 立 豊 田 西 高 等 学 校, 岡 崎 市 立 竜 海 中 学 校, 豊 橋 市 立 中 部 中 学 校, 岡 崎 市 立 竜 南 中学校
2008 4 12
岡 崎 市 立 甲 山 中 学 校, 豊 川 市 立 音 羽 中 学 校, 岡 崎 市 立 六ツ美中学校,岡崎市立竜南中学校
2009 4 8
岡 崎 市 立 甲 山 中 学 校, 豊 川 市 立 音 羽 中 学 校, 岡 崎 市 立 東海中学校,岡崎市立竜南中学校
2010 4 9
岡 崎 市 立 甲 山 中 学 校, 岡 崎 市 立 竜 海 中 学 校, 岡 崎 市 立 竜南中学校,豊田市立高岡中学校
4-6-8 その他
(1) 岡崎市小中学校理科作品展
岡崎市教育委員会の要請により,岡崎市小中学校理科作品展に岡崎にある3研究所が輪番(原則として3年に1回) で体験型のブースを出展している。分子科学研究所は2007年は,パネル展示のほか,子どもたち自らが色素増感太 陽電池の作製や酸化チタンカラフル塗装を体験できるブースを出展した。2009年は一般公開の宣伝と未来の科学者 賞の案内を行った。2010年は常設展示室から3つの体験型展示物(ローレンツ力の実験,光の波長とモノの見え方, アンジュレータの磁石を使った実験)を設置し,来場者に体験していただいた。